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Destination Station of a Dream
とあるサイトに掲載済みの詩小説を投稿したところ
5日間で1165アクセスを記録しました。
こちらのサイトも案内にのせてあるので、もし
来られた方いらっしゃったら、厚く御礼申し上げます。
書き手さんとも多くお知り合いになれて嬉しい限りです。
さて、今回のアルテミス~ですが……
実はサヤキの家には、移動図書館並みに本があったりします(笑
もちろん、小説が一番多いのですが、実は次に多いのは歴史、考古学の本だったりします。
次いで天文学、法律、物理、経理、そして忘れてはならないマンガ!
つまり、いろんなものに影響を受けて現在に至るわけです。
実はサヤキは、以前は普通の詩や普通の小説を書いていました。
現在のスタイルになるまでに。
勿論小説では「その彼の言葉は、狂信者達の賛美歌の如き清浄さと狂気をもって
抵抗無く私の心の奥底へと滑り込み鎮座した」
みたいな表現を使って書いてました(笑
まぁーここまで毎回大仰ではなかったですが、文を飾る事に一生懸命だった
まだ未熟な時代もあったわけです。今も未熟ですが。
そんな今までの私の総決算的な作品を……そう思って書いたのが、今回の
「アルテミスの弓」ですね。
面白いかどうかは別にして、自分の書きたい様に書いてみたらどうなるだろう?
……と実験的に書いてみたものです。途中小難しい話もそれで出ちゃいました。
でも、サヤキは書く事の数万倍は本を読んできました。
それは今度の財産にきっとなると思います。
そのかわり、自分の文の稚拙さも嫌というほどわかっちゃうんですよねー。
でも、逆に言えばまだまだ向上出来ると、拙いなりにも信じてがんばります。
素材提供:GATAG 画家:コッラード・ジアキント(パブリックドメイン)
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とある国の貴族の男が
気紛れで避暑の為に
田舎街を訪ねました
宿にいても
退屈なので
彼は街を見て
歩く事にしました
しかし田舎なので
なかなか食事が
できる場所が無く
困り果てています
昔は炭鉱の要所として
栄えた街だったのが
時代の流れとともに
寂れていったのです
その貴族は道行く人に
その場所を尋ねながら
やっと探し当てました
最後に残ったレストランを
そっと中をのぞくと
お客は誰もいません
営業中だというのに
しかし他のレストランは
この街にはもうありません
仕方なく貴族の男は
お世辞にも旨いとは
言えぬ粗末な食事で
空腹を満たしました
支払いの時に
貴族の男は
その金額を聞いて
酷く驚きました
「あの粗末な食事で
そんな法外な金額とは
ひょっとして私が
食べた肉はそんなに
貴重なものだったのかね?」
貴族の男の問いに
店の主人は笑顔で
こう答えたのです
「いいえ貴族様
このあたりでは大して
珍しい肉ではありません
貴重なのは金持ちの客です」
撮影者:サヤキ ※フィクションです。この建物と本文は実際には何の関係もありません。
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この国はもう駄目だ
押し寄せる民主化の
波に乗ったはいいが
自由と言う名の器に
物を入れ替えただけで
中身は腐ったままだ
相変わらず官僚は金で
権限を買いやりたい放題
それに群がる奴も同罪だ
官僚を監視する仕組みが
まだこの国には無いのだ
この国は何も変わっちゃいない
だが私はこの民主化とやらに
感謝をしなくてはならない
主義主張は些細な行き違いで
仲間に造反を産む事もあるが
金は決して裏切らない
私は解体された旧国家
秘密警察の隠し資金の
一部を手中にしたのだ
新政権に接収された額に
比べれば朝露の如しの
昼には蒸発し消えそうな
ささやかな金額なのだが
個人を一生食わせて
余りある金だった
無論容易い相手ではない
私を追っている存在にも
既に気が付いている
旧国家の亡霊の犬だ
この国はもう駄目だ
押し寄せる民主化の
波に乗ったはいいが
自由と言う名の器に
物を入れ替えただけで
中身は腐ったままだ
私は身を隠す為に
郊外に潜伏する
必要があった
金は信頼ある義理堅い
元部下に預けてある
20年の付き合いだ
彼なら金を守る為に
殺人すらいとわない
私の腹心中の腹心だ
時間が私に味方をした
時間が経てば経つほど
新政権の秩序が皮肉にも
私を匿ってくれるのだから
旧秘密警察が身動きを
取れなくなるのを私は
ただ待っていたわけではない
私の身元は知れている
対策が必要だった
20kgの減量
顔面の整形手術
指紋を変える手術
体型や顔は簡単だが
指紋だけは厄介だ
今は他の指紋だがやがて
本来の指紋に戻るからだ
だが私には関係無かった
国外に出るまででいい
その後は指紋が戻ろうが
顔が戻ろうがかまわない
外国での夢の生活
その手配も
既に整っている
完璧だった
数日後の私を
悠々自適で
幸せな未来が
待っているのだ
金は決して裏切らない
私は予定通り
約束の時間に
資金を預けた
部下に会った
部下は私を撃った
突然の事で
何が起こったのか
全く理解出来なかった
急速に薄れゆく意識の中
最後に私が耳にしたのは
冷たい部下の言葉だった
「誰だお前」
写真提供:GATAG 著作者:spaceabstract
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2月23日、くもりのち雨
今日も彼は来てくれた
この時間はいつしか
私にとってこの人生で
最高に幸せで
最高に残酷な
時間となった
彼に内緒に
している事が
ひとつだけある
もう私はいつ死んでも
おかしくない体だって事
言わなければ
ならなかった
このままでいい
はずがなかった
でも言えなかった
彼が笑う
ちょっとだけ
拗ねて怒って
また笑う
彼の前でこれ以上
泣かないようにする
自信がもう無かった
言えるはずがないよ……
2月27日、くもり
私は今日死んでいたはずだった
以前お医者さんの
話を偶然聞いた時
私の命は長くても
今日までだろうと
そう言われていた
私はまだ生きていた
ここから先はきっと
神様がくれた時間だ
私はこの時間を
大切な人の為に
使おうと決めた
私はお父さんに
3月から病院に
入院したいと
お願いをした
そして彼に二度と
会わない決心をした
私が苦しいのはいい
もうすぐ死がこの
苦しみから解放して
くれるだろうから
だけど彼を絶対に
巻き込んではいけない
私が入院して
会わなくなって
彼が自然と私を
忘れてくれれば
それが一番いいと思う
単なる同情で私の話を
聞いていた最初の彼と
私の話に泣いてくれた
今の彼を思い出したら
自惚れでも何でもなく
彼の気持ちが私の方へ
徐々に近付いていると
いくら鈍感で世間知らずの
私にだって痛いほどわかる
だから私はこの
残された時間で
せめて彼の幸せを祈りたい
2月28日、晴れ
たくさんたくさん
彼が去って泣いた
今も泣きながら
日記を書いている
ついに彼に
もう来ないで、と言った
できるだけ冷たく言った
もう二度と来ないように
泣いてしまいそうだった
でも良く頑張れたと思う
彼は少し困った様な
表情で私を見ていた
きっと明日も来るだろう
でももう私は家にいない
明日から私は入院だから
裏切りだと
思われても
かまわない
そのあなたの眩しい
笑顔が涙に曇らない
幸せな夢を見ながら
私は眠りたい
神様どうかお願いです
彼がもう大丈夫だって
私が確認できるまでは
もう少しだけ命を下さい
写真提供:GATAG PublicDomainPictures(著作権放棄)
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実在した人物の歴史ものを詩小説に、という珍しい事に挑戦しました。
そしてこの作風で書く利点が大きい事に気付きました。これなら本一冊分の
ボリュームを数分で読むことが出来る、歴史が誰にでも読み易くなる、と。
散文詩的な詩劇ですが、これだけ簡単に読める歴史ものはたぶん、今まで見た事無い
のではと思います。あったらすみません……。
さて内容ですが、この歴史をご存知の方は「え、ジャネットって間違ってない?」と
思われる人もいらっしゃると思います。
もちろん、この物語は超有名なあの人のお話です。
ところが実は、あの名前で主人公の少女が呼ばれるようになるのは、王太子軍の先頭に
立つようになってからなので、ずっと後の事なのです。
しかも生きているうちに下の名前、姓で呼ばれた事もありませんでした。
下の名前 D'arc は、後世の人が貴族っぽいという事で付け足したようです。
実際には、中世の農民に姓はありませんでした。良くある話なのですが……
今回は、1幕目という事で王太子に会うまでのエピソードを綴ってみました。
歴史書でも史料でもないので、細かい部分は物語として楽しめるようにしました。
さすがにアメリカの昔の、同じ題材を扱った映画のように「敵将に恋をする」など
という破天荒な演出はしませんでしたが(笑
実際にあった事柄をうまく盛り込めたのではないかなと思います。
私が司書で教員免許を持つ友人に、一番最初の最初に教えたのが
「歴史学とは記憶を競うゲームではなく、物語を読み解く事だ」でした。
もちろん、学校では「試験のための勉強」として歴史を習うので、歴史に拒絶反応を
示す方の多くは「記憶を競うゲーム」のイメージが強いのだと思われます。
でも何年何月に何があった、と覚えていくだけの単純作業を延々と繰り返すより
「ジャンヌ・ダルクは本当は泣き虫だった」
の方が、歴史に対してどんどん楽しいイメージが沸いて、
ずっと素敵だとは思いませんか?
写真提供:GATAG 画家:ヤコブ・マリス
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