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Destination Station of a Dream
過去は遠ざかるのみだが
未来は絶え間なく歩み来る
そして僕には
どちらを向いて
生きていくのか
選ぶ自由があったのだ
写真提供:GATAG パブリックドメイン(著作権放棄)
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誰もいない世界で
あの頃の少女を待つ
木彫りの人形
誰もいない世界で
それでもうたい続ける
ブリキの人形
時が紡ぐ
螺旋階段の先に
私を呼ぶ声が聞こえる
罪は償った
罰を耐えた
報いを受ける
時は去っていた
木彫りの人形は
少女の夢を見ながら
安らかな眠りについた
ブリキの人形は
もう自分の不幸に
目を向けなくて済んだ
私が目の前で今
燃やしているのは
実は人形などではなく
過去の自分の記憶だった
木彫りの人形は
私の罪
ブリキの人形は
私の罰
時が紡ぐ
螺旋階段の先に
私を呼ぶ声が聞こえる
私は最後に
一度だけ振り返ったが
もうそこには無かった
もう何も無かった
罪は償った
罰を耐えた
報いを受ける
時は去っていた
時が紡ぐ
螺旋階段の先の
扉へ向けて私は
階段を上ってゆく
失われた世界の彼方で
去り行く時間の彼方で
美しいまま残したかった
記憶が壊れて消えていく
何も無い世界
誰もいない世界
罪と罰の螺旋の世界
私はもう振り返らなかった
儚く燃え尽きて壊れ
消えていく記憶を背に
新たな扉へ向けて私は
崩れる階段を上ってゆく
無知だけど
無垢だった
あの頃の自分に別れを告げて
写真提供:GATAG 著作者:werner22brigitte(著作権放棄)
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ブリキの人形は毎日
大好きな歌をうたいます
ブリキの人形は
耳をふさいでうたいます
ブリキの人形は
目を閉じてうたいます
それでもブリキの人形は
自分の口は閉じません
好きな歌を毎日うたって
嫌な事には近付かない
それがブリキの人形の
幸せな毎日なのです
でもみんな気付いてました
ブリキの人形の中身は
からっぽだって事に
幸せなブリキの人形
その歌を聴いた人は
次の歌を聴く頃には
もうその歌を忘れてます
そして二度と思い出しません
それでもブリキの人形は
自分が幸せならいいのです
嫌なものは見たくない
嫌な事は聞きたくない
それでもブリキの人形は
自分の口は閉じません
そんなブリキの人形が
ふと気が付いた時には
もう周りには誰も
いなくなっていたのです
でもブリキの人形は
自分の見たくない物は
見なかった事にしています
でもブリキの人形は
自分の聞きたくない事は
聞き流すようにしています
ブリキの人形は
目を閉じてうたいます
ブリキの人形は
耳をふさいでうたいます
不幸に気付いたブリキの人形
それでもブリキの人形は
自分の口は閉じません
誰もいない世界で
たったひとり
からっぽの
ブリキの人形は今日も
大好きな歌をうたいます
写真提供:総合素材サイト「ソザイング」様
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一人の少年が
誰もいなくなった世界で
今もずっと立ち続けています
遠い昔で遠い未来の出来事
女の子が木彫りで
人形を造りました
かわいい男の子の人形です
彼女はその人形に
名前を与えて
大切にしました
ご飯を食べるときも
夜になって眠るときも
朝目覚めるときも
二人はいつでも一緒でした
毎日一緒に遊びました
笑うときも泣くときも
片時も離れません
彼女はその人形に
色々な事を教えました
男の子は熱心に聞いて
一生懸命覚えました
やがて彼女は
美しい女性に
成長しました
男の子は木で出来た
体の人形だったので
子供のままで彼女を
ずっと見ていました
時は流れ
想いも流れ
そして彼女は老いて行き
人生の最後を迎えます
幼い頃には知らず
今になって初めて
気が付いた事が
彼女にはありました
でもそれを彼女は
人形の男の子には
とうとう教えなかったのです
遠い昔で遠い未来の出来事
女の子が木彫りで
人形を造りました
かわいい男の子の人形です
でも男の子はついに
教えてもらえませんでした
やがて彼女は亡くなって
もう家には誰もいません
彼女は自分の
悲しい気持ちを
男の子に感じて
もらいたくなくて
死について教えなかったのです
一人の少年が
誰もいなくなった世界で
今もずっと待ち続けています
今もずっと
写真提供;GATAG 著作者:vhm-Alex
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「珍しいペットを
お持ちのようですね」
彼は私の自宅の
別室の檻の中を
物珍しそうに
眺めながら言った
「恐らく絶滅危惧種になります
よくある話だが繁殖しすぎて
まわりにあったものを全て
食らい尽くしてしまった
だから捕獲禁止に
指定される前に何匹か
確保しておいたのです」
私はそう言って笑う
彼はなるほどと頷き
食い入るように檻を
ずっと眺めている
やがて彼は私に
こう聞いてきた
「しかし本当に珍しい
この檻の中の動物は
一体何という生き物
なのかお教え下さい」
彼は初めて
見たのだろう
私は少しだけ
得意になって答えた
「人間といいます」
写真提供:GATAG 著者:NASA
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