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Destination Station of a Dream
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ポセイドンの息子オリオン
彼は陸でも海でも渡り歩く
非凡な才を持つ狩人だった
月と狩猟の神でもある処女神
アルテミスと狩人オリオンは
それゆえにお互いを認め合い
次第に惹かれ合う仲となった
人類の歴史上
全ての文明と
その秩序は
時至ればその遺産を
とって変わる新しい
文明と秩序に残しつつ
自らは崩れ去ってゆく
過去を見つめてきた
現在の人間はそれを
歴史から学んでいる
しかし我々が
そうであるように
その文明の中に生き
その秩序のもとに
生きている人々は
その文明の崩壊を
想像するというのは
極めて難しいだろう
なぜならばそこに
生きる人々にとって
自分が浴する文明は
知らずして永遠なのだ
しかしそう願う
民衆の想いに反して
永遠であった文明は
歴史上一つとしてない
世界の富の全てが
ここに集まるとまで言われた
永遠のローマがそうであったように……
目の前の勿忘草が
涙でかすんでゆく
あなたとともに滅ぶ事を
私は望まなかった
たとえ私の世界が
暗き闇に閉ざされても
これで良かったのだと
私は信じているのだから
忘れないで下さい
あなたを愛していた私を
忘れないで下さい
想いの果てで消えていく私を
真実の愛が
涙でかすんでゆく
でも私は信じている
これで良かったのだと
たとえ私の世界が
暗き闇に閉ざされても
あなたとともに滅ぶ事を
私は望まなかった
どうか忘れないで下さい
あなたを愛していた私を
真実を告げられぬまま
消えていく私を
目の前の勿忘草が
真実の愛が
涙でかすんでゆく……
甘美な悪夢のように
膨らみ続けるスキュタイ人と
ゲルマン人に対する蛮人思想
皇帝の徳を称える公詞
アリストテレス学者
テミスティオスはこれを
万人に及ぶゼウスの
人間愛に比せられる
べきであると語った
しかしこの皇帝の
人間愛は蛮人にも及ぶ
とは彼は言わなかった
人間愛など蛮人には不要だ
今やローマ人と
スキュタイ人は
男と女のように対立している
皇帝はスキュタイ兵ではなく
ローマ武装市民軍をもって
その指揮官でなければならぬ
エウボイア風ブロンドの
頭髪である外人が
個人の宅では奴隷であり
国家において主人であるとは
何と恐るべき事か
時は満ちたと信じるのだ
私は自らの体内をめぐる
この血に誓ってあの男を
殺さなければならない
素材提供:GATAG 画家:フランチェスコ・ソリメーナ(PublicDomain)著作権放棄公共所有
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2014/03/15 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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