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Destination Station of a Dream
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アポロンは奸計を以て
アルテミスを陥れた
まず彼はサソリに
オリオンを襲わせた
オリオンは逃れる為に
サソリの追えない場所
遠く海の沖へと逃げた
抱き締めるだけでは
伝えられなかった
愛しているだけでは
伝えられなかった
あなたのその言葉に
少しずつ壊れゆく私
とけていくわ
その僅かばかりの
ため息さえも
あなたに届く前に
この瞬間を受け入れよう
小さな光に
私はなりたい
明け方の夢の中で
暗きまどろみの中で
あなたが迷わないように
小さな光に
私はなりたい
混迷の先へ
踏み出す道の先へ
時の向こう側へ導けるように
迷わないように
導けるように
受け入れよう
この瞬間を
とけていくわ
あなたに届く前に
抱き締めるだけでは
愛しているだけでは
伝えられなかった
あなたのその言葉に
少しずつ壊れてゆく私……
彼女は静かに語り始めた
「テミスティオスは
確かに無秩序、恐怖
不服従、狂暴、非理性
といった観念を蛮人と
結び付けていた……
それは事実だわ
しかし彼は先入観念を
克服する努力を
自他に説き
平和的取り扱いに
値しないと見ていた
蛮人を抑制し矯正して
皇帝の人間愛の
対象たるに
相応しいものと
見直す事によって
歴史的現実の推移に
自らの理念を調整
しようとしているわ
悪く言えば皇帝の
正当化であった
かもしれないけど
これは皇帝の
「政策」の肯定と
その正当化でもあり
こうした機能を働く
イデオロギーだった
私にはそう思えるの
テミスティオス自身
こうした蛮人を
ローマ人と同等の
人間として承認し
受け入れる事に
抵抗を感じていた
だけど時代は決して
立ち止まってはくれない
ローマは変わったわ
蛮人を排したい欲求と
もはやそれが叶わぬ現実
この2つの狭間で彼は
きっと悩んでいたはず
あなたも同じ思いなのね
ローマにスキュタイ人の
場所が次々と増えていく
道は二つに分かれているわ
共存するか
戦って退けるか
テミスティオスは
結果前者を選んだわ
あなたはどちらを選ぶの?」
素材提供:GATAG 画家:ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(パブリックドメイン)
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2014/03/17 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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