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Destination Station of a Dream
それは時が
産声をあげるよりも
遥か以前の
原初から存在していた
多くのものが
その存在の前で
一瞬の輝きを見せて
瞬く間に消えていった
絶対の闇が
混沌よりも深く
虚無を包み
なお拡がっていた
狂気も呪いも
ここには届かず
愛も希望も
無意味だった
絶望という
概念すら無く
死と再生にも
価値は無い
終末ですら
意識に残らぬ
満ち溢れた
瑣末事だった
その場所には
ただ川が流れ
万物は
上流から下流へと
流れるかのごとく
徐々に形を失う
ただそれだけが全てだった
戯れに厭きた
その存在は
手に在るものを
手放し
次のものへと
手を伸ばした
手放したものは
地に落ちて潰れた
人が潰れた
動物も植物も潰れた
大地も海も潰れた
地球が潰れた
神々さえも潰れた
惑星も潰れた
恒星も潰れた
銀河も潰れた
宇宙全てが潰れた
全ては意識にすら
残らぬ程一瞬だった
宇宙が無重力だったのは
落ち続けていたからだと
理解出来た者などもはや
そこには誰もいなかったのだ……
写真提供:GATAG 著作者:NASA,ESA,and G.Bacon(STScI)
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「珍しいペットを
お持ちのようですね」
彼は私の自宅の
別室の檻の中を
物珍しそうに
眺めながら言った
「恐らく絶滅危惧種になります
よくある話だが繁殖しすぎて
まわりにあったものを全て
食らい尽くしてしまった
だから捕獲禁止に
指定される前に何匹か
確保しておいたのです」
私はそう言って笑う
彼はなるほどと頷き
食い入るように檻を
ずっと眺めている
やがて彼は私に
こう聞いてきた
「しかし本当に珍しい
この檻の中の動物は
一体何という生き物
なのかお教え下さい」
彼は初めて
見たのだろう
私は少しだけ
得意になって答えた
「人間といいます」
写真提供:GATAG 著者:NASA
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あなたは自分の命より
大切なものはありますか
無い人には
これを差し上げます
平和の本
あなた自身を守る方法が
ここには書かれているのです
あなたは自分の命より
大切なものはありますか
ある人には
これを差し上げます
戦争の本
大切なひとを守る方法が
ここには書かれているのです
あなたは冷たい人ですか
それとも優しい人ですか
冷たい人には
これを差し上げます
平和の本
目を閉じて傷付かず
生きていけるようになります
あなたは冷たい人ですか
それとも優しい人ですか
優しい人には
これを差し上げます
戦争の本
知る苦しみに気付いて
生きていかなくてはなりません
あなたには
愛している人がいますか
いない人には
これを差し上げます
平和の本
あなた自身を守る方法が
ここには書かれているのです
あなたには
愛している人がいますか
いる人には
これを差し上げます
戦争の本
大切なひとを守る方法が
ここには書かれているのです
あなたの目の前に
好きな人がいます
愛してる人がいます
好きな人には
平和の本を差し上げます
愛してる人には
戦争の本を差し上げます
最後にひとつ
お聞きします
あなたは本当に愛されていますか
写真提供:Free.Stocker 様
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最も不幸な事は、愛を失う事ではない
失う愛すら無い事である
こんにちは、サヤキです。
今回の「冥府に住む聖者」のテーマは上記のものです。
愛を失う事はとてもつらい事です。失恋でも死別でも、離別でも。
ただ、愛された記憶がそのまま良き希望になったり、次の恋愛の教訓になったり
様々な形でその人の、現在と未来という泉を潤す可能性があるかもしれません。
最もつらいのは、その機会すら与えられない事だと思うのです。
北欧神話、特にロキに注視したのは、彼が「失う愛すらない」存在の象徴になると
思ったからです。実際には、ロキには献身的な妻もいるのですが。
そして今回のこの作品は「愛を失った人」へのエールでもあるのです。
北欧神話は数々の文献、資料、物語など数多くありますが、その中で恐らく
「ロキは愛されなくなり、神々の気を引く為に私を見ろと足掻いていた」という
解釈をした人間はサヤキが初めてだと思います。いたらすみません(汗
私はロキが、愛されていた過去の呪縛から逃れられず、それゆえに破滅へと走って
しまった……というように感じました。
気まぐれなトリックスターという言葉では、この神を説明できないと思います。
失う愛すら無くしてしまったロキはきっと、乾いた涙しか流せなかったのでしょう。
彼は泣かないと言ったのではなく、涙が乾いたと言ったのです。
そうです、ずっと彼は泣いていたのです。
ちなみに作中にも書いていますが、北欧神話とは元は口承で伝えられる神話でした。
今回のエピソードは「スノッリのエッダ」によるものですが、実はこのお話が編纂
されたのは13世紀とかなり最近のことなのです。
13世紀といえば、アイスランドがキリスト教化されてもう200年も経っています。
つまり、現在伝わるこのお話は、キリスト教の観点から書かれたものなのです。
多くの文献で元々火の神であったロキが、サタン化されて描かれる理由のひとつです。
なので私は違う解釈で、傷付く人間が自分を取り戻す話にこの神話をちりばめました。
こういう解釈の話が、一つくらいあってもいいと思って。
愛を失う事は悲しい事です。しかし将来、偶然このテキストを読んでくれた方が
このお話を再び歩き始める為の、ささやかなきっかけにして頂けるなら、たとえ
それが微力であっても、書いた人間にとってはこれに勝る喜びはありません。
このテキストは、傷付く全ての人へのエールなのですから……
写真提供:GATAG 著作者:ai3310X
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こんばんは、いつも通りボロボロのサヤキです。
今回は詩をお休みして、旅行記などというものを
書いてみようと思います。
私は、たまにぶらっと車で近場に
泊りがけで小旅行をするのですね。
気分転換には最高ですよ。
http://www.comet.tokushima-ec.ed.jp/
目的地はここ、徳島県文化の森です!
四国でも、ここはまだ行った事無いなぁと
あまり深く考えずに向かいました。
美しい緑に囲まれた施設が
非常に印象的な場所でしたね。
ここには博物館や図書館もあります。
美術館、文書館にも立ち寄りました。
せっかくなので、デジカメ持参で。
しかも独りで。
たった一人、カメラ片手に彷徨う怪しい人サヤキ。
ねーパパ、あそこに変な人いるよー?
こらっ、目を合わせちゃいけませんっ!
……などという親子の会話が聞こえて
きそうなほどの寂しさです。
いいんですもう慣れました。
で、最初に向かったのが博物館でした。
大迫力でしたねーびっくりしました。
四国を中心に日本の生い立ちから始まって
古代・中世・近代の人の暮らしを網羅。
ぐるっと周るだけで、時間旅行が楽しめます。
見た中でも、目玉だったのはこれですね。
いやぁすごい迫力でした。
大昔はこんなのが、のっしのっしと
歩いていたんだなぁと感動。
また、昨年、新聞等で紹介された
那賀町産の約2億3400万年前のアンモナイト
(シレニテス・センティコサス)も展示しています。
興味のある方はぜひどうぞ。
続いて行ったのは図書館です。
かなり大きな規模の施設でしかも清潔感が
あって長い時間を快適に過ごせそうです。
きっとよく眠れそうだなぁ。
なんとここ文化の森には
美術館まであったりします。
驚きですね。物凄いボリュームです。
ちなみに、観覧料は博物館・美術館ともに
大人200円・大学、高校生100円・中学生以下50円
という驚きの安さっ。団体割引もあるそうです。
私は一人だけどねっ。
常設展示以外にも、企画展示が時期によって
いろいろ変わるみたいなので、また何か
あったら訪れてみようと思います。
詳しい内容はせっかく素敵なサイトがあるので
そちらでご確認頂くとして(手抜きではありません)
最後に立ち寄ったのは文書館です。
すごく趣き深いたたずまいの建物でした。
ここには郷土の貴重な資料が収められています。
ここを管理されている方のご好意で
施設内の写真も撮らせて頂きました。
他にも、昔の写真などの貴重な展示を
ここでは見る事ができますね。
当時の人々の様子を想像しながら。
小旅行のつもりでしたが
かなり贅沢な時間旅行を
楽しむ事ができた1日でした。
かなり余談になってしまいますが、
実は私が住む瀬戸内はかなり歴史の古いものが
多数現在に残されているのです。
日本に限らず、古い時代は「道」といえば
海の事でした。石の文明ばかりが現代まで
残っていますが、おそらく加工しやすい
木の文明が、それ以前にあったと考えられます。
つまり、昔の人は資材を運ぶのに川や海を
利用しました。浮かべて運んだのですね。
河川に文明が集中しやすい理由のひとつです。
それが陸路よりも先に航海技術が発達した
原因と思っていいかもしれません。
日本は実は、木の文明が現在まで残っている
貴重で数少ない文明なのですね。
海が昔は道だった、とすると。
大陸から来た人は、北九州、瀬戸内海を経由して
近畿に向かう事が多かったと推測されます。
波の少ない穏やかな海路ですから。
それが九州北部と近畿だけではなく
瀬戸内の地域にも多数の青銅鏡などが
発見される理由のひとつと思われます。
今ではない遠い時間の向こうに想いをはせながら眠るのも、
たまには悪くないかもしれませんね。
お・ま・け
天国に降る雪 番外編NG?
「こらっ、エンディング撮影中なんだからこっち向いちゃいけませんっ」
写真提供:GATAG 著作者:Fleeting Glimpse
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