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Destination Station of a Dream
それは時が
産声をあげるよりも
遥か以前の
原初から存在していた
多くのものが
その存在の前で
一瞬の輝きを見せて
瞬く間に消えていった
絶対の闇が
混沌よりも深く
虚無を包み
なお拡がっていた
狂気も呪いも
ここには届かず
愛も希望も
無意味だった
絶望という
概念すら無く
死と再生にも
価値は無い
終末ですら
意識に残らぬ
満ち溢れた
瑣末事だった
その場所には
ただ川が流れ
万物は
上流から下流へと
流れるかのごとく
徐々に形を失う
ただそれだけが全てだった
戯れに厭きた
その存在は
手に在るものを
手放し
次のものへと
手を伸ばした
手放したものは
地に落ちて潰れた
人が潰れた
動物も植物も潰れた
大地も海も潰れた
地球が潰れた
神々さえも潰れた
惑星も潰れた
恒星も潰れた
銀河も潰れた
宇宙全てが潰れた
全ては意識にすら
残らぬ程一瞬だった
宇宙が無重力だったのは
落ち続けていたからだと
理解出来た者などもはや
そこには誰もいなかったのだ……
写真提供:GATAG 著作者:NASA,ESA,and G.Bacon(STScI)
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2014/02/09 自由詩:短編を様々な作風で Comment(0)
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