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Destination Station of a Dream
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異変は彼女が小さな教会に
立ち寄る直前に起こった
あれが噂の魔女だと
指を指し口汚く罵る男
寂れた教会までの小道と
今まで歩いて来た道は
多くの屈強な兵で塞がれた
逃げ道はどこにも無かった
更なる漆黒の闇が
彼女を飲み込もうとしていた
巡礼の旅は
本人の意思とは関係なく
存外の最悪な状況をもって
突然の終幕を迎える事となった
彼女は潔白を訴えた
魔術や呪術を使えぬ事を
私に出来るのは
祈る事だけなのだと
だが彼女は
無様に命乞いし
取り乱す様な姿は
決して見せなかった
本当は彼女も気付いていた
疫病と飢餓が
各地で猛威を奮い
国内の治安は荒れ
罪は溢れた
荒んでいく民衆の目を
国外へと早急に
向けさせる必要があった
戦争をする必要があった
国内で殺し合い
奪い合う事と
他国の異教徒を殺し
奪う事を天秤にかけ
時の権力者は
後者を選んだに過ぎない
その為に彼女は
邪魔な存在だった
各地を廻り
非暴力を訴える
彼女達巡礼者の様な存在は
運命は残酷だった
彼女に罪があるのかなど
最初から問題では無いのだ
民衆法廷による魔女裁判
本当は彼女も気付いていた
いつかこの様な日が
来るかもしれないと
異変は彼女が小さな教会に
立ち寄る直前に起こった
あれが噂の魔女だと
指を指し口汚く罵る男
更なる漆黒の闇が
彼女を飲み込もうとしていた
写真提供:GATAG|フリー画像・写真素材集 著作者:markbwavy
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2014/01/14 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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