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Destination Station of a Dream
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崩壊した精神の冥府へ下る扉へ
邪な歓喜の叫びを伴って
唇の端を不実の笑みに歪め
兵士達は我先にと押し寄せた
戦いは終わっていた
それからが本当の地獄だった
どれほどの時を遡ろうとも
戦いの勝者には敗者への
略奪暴行が恩賞として与えられる
この時代までは不変の常識だった
聖戦の理想を掲げた者は
目の前の痴態の真実に絶望した
教えに従い敬虔である者は
闇夜よりも苦い痛みに破滅した
その扉を開いてはならなかった
知らなければ幸せだった
だがそうして心を痛める者は
この呪われた場所に僅かだった
肉汁滴る甘美な獲物が目の前で
渇き切った欲望に手招きをする
敗者は無抵抗で略奪された
敗者は無抵抗で暴行された
逃げようとした者は殺された
逃げなかった者は惨殺された
異教徒の街は崩れ去った
あらゆる富が剥ぎ取られた
舌を噛んだ女性の死体の隣で
力なく泣き崩れる子供達の姿
守る為の剣も盾もなく
抗う意思も術も喪失し
最後に残された希望さえも
禍に相殺され食い尽くされる
戦いは終わっていた
それからが本当の地獄だった
崩壊した精神の冥府へ下る扉へ
兵士達は我先にと押し寄せた
聖戦の理想を掲げた者は言った
教えに従い敬虔である者は言った
その扉を開いてはならなかった
知らなければ幸せだった
神は死んだのだ
写真提供:総合素材サイト|ソザイング 様
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2014/01/13 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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