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2024/05/17

オルフェウスの竪琴(後編)





暗い世界の奥に光が見え 

冥界からあと少しで 

抜け出すというところで 




不安に駆られたオルフェウスは 

愛するがゆえに耐え切れず 

そしてもうすぐだという 

安堵感から 




つい後ろを振り向き 

妻の姿を見てしまった 




妻の悲しそうな顔 

聞き取れなかった細い声 

冥界の王との約束を 

守れなかったが為に 




愛しい妻の姿は 

再び冥界の闇の中へ 

連れ戻されて消えていった 









男は彼女と 

同じ景色を眺めながら 

つぶやくように話した 




「地中海はもともと古い時代 

女性の神様が信仰された 

土地なのですよ 




地母神信仰ですね 

先インドヨーロッパの

母系社会が起源です

いつの時代も女性は強い」




彼女は少し声に棘を含ませた




「茶化しているの?

それとも私を哀れんでいるの?」




男は屈託無く笑いながら

その言葉に応じた




「いえすみません

気分を害されたなら謝ります

そんなつもりで

言ったわけではないのです




ご存知ですか

ギリシャ神話で有名な

オルフェウスの父は

ここトラキアの王だったのです」









以後オルフェウスは

全ての女性をさけていた




トラキアの乙女たちは

彼を虜にしようとしたが

彼は見向きもしなかった









彼女は息を大きく吸い込み

ゆっくりと吐き出した




「それも知っているわ

皮肉ね

私はまるで

オルフェウスのようだわ




あの男は言ったの

見るなって言ったの

でも私はつい見てしまった




見なければ

たとえ虚像だったとしても

幸せな未来があったかもしれない

知らずに過ごす偽りの幸せが




ただオルフェウスと私が

決定的に違うのは

私があの人を殺したこと

私自身がこの手で
 



そう私はむしろ

オルフェウスを殺した

女の方だったかもしれない




犯人は私よ

貴方が探していたのは

間違いなく私よ

覚悟は出来ているわ」









ディオニュソスの儀式の時

どうしても彼を虜に

できなかった女達は興奮して




私達を馬鹿にする人がいる




と狂乱し

オルフェウスは手足を裂かれ

頭と竪琴はヘブルス川へ投げ込まれた




そしてその竪琴は

彼を哀れに思ったゼウスが

星の中に星座として掲げた









彼女のその言葉に

苦笑しながら男は話した




「残念ながら私は

警察ではありません

貴女が殺そうとした方から

依頼を受けました」




彼女は驚愕のあまり

その場に凍りついたように

動けなくなってしまった




そんな彼女に

柔らかな笑みで彼は

言葉を続けた




「彼は輸血で一命を

取り留めましたよ

そして警察に被害届は来ず

そのかわり私に依頼が来ました




あの方は妻と完全に切れるよう

別れ話をしていたに過ぎません

だが運悪くそこを

貴女が見てしまった」




彼女は震える声で

彼に確認した




「確かに私はあの時怖くなって

すぐその場を逃げたけど

生きて

生きているんですかあの人?」




男は再びにっこりと

笑って答えた




「生きています

そして

今でも貴女を愛していると」




その言葉に彼女の瞳は

大粒の涙であふれ

そのままその場に泣き崩れた




しばらく泣き続けていた彼女は

やがて泣きはらした目を

男に向けてこう聞いたのだった




「私は

私はあの人のところに

戻ってもいいのかしら……」




彼は優しい声で

うなずきながら答えた




「オルフェウスの続きの話は

ご存知ですか?

オルフェウスはその後

死後の世界で




愛する人に再び逢えたのですよ」













写真提供:free.stocker 様
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2014/01/22 自由詩:短編を様々な作風で Comment(0)

オルフェウスの竪琴(前編)

 




 
 
アポロンより伝授された竪琴

オルフェウスがそれを弾くと

動物達や木々や岩までもが

彼の周りに集まり耳を傾けた
 
 




 
 
「いやぁ

本当に美しい場所ですね」




立ち並ぶ石を 

呆然と眺めていた女性に 

一人の男が 

そう言って話しかけた 




女性は興味も無さそうに 

男を一瞥し 

再び視線を 

その石の塊へ向ける 




「ここはブルガリアでも 

特別な場所ですね 

旧ギリシア時代の 

トラキアゆかりの遺跡です」 




男のその言葉に 

彼女は静かに冷たく応じた 




「知っているわ 

私はこの近くに住んでいたから」 




男は少し驚いた後に 

うなずきながらさらに 

彼女に言葉を続けた 




「なるほどそれで貴女は

この場所を選んだわけですね」




彼女は再び男に視線を向けた

先ほどと違ってその目には

猜疑の光が宿っている




「貴方はただ観光に

来たわけではなさそうね

何者なのかしら?」




男は不思議と憎めない

愛嬌のある顔でにっこりと笑って

その問いに答える




「貴女を追っている者です

と言ったら

貴女はどうしますか?」








オルフェウスの最愛の妻

エウリュディケーは

ある日毒蛇にかまれ

幸せの中突然の死を迎えた




絶望に悲しむオルフェウスは

やがて妻を取り戻す決心をし

死者のいる冥府に入った








彼女は全く驚いた様子を見せず

美しい顔に侮蔑を浮かべながら

落ち着いた声で言った




「別にどうもしないわ

こうなると知ってたから




貴方

私を捕まえに来たのでしょう

そうよ

あの男を殺したのは私」








オルフェウスの竪琴の音色に

冥界の人々は魅了され

みな涙を流して聴き入った




ついにオルフェウスは

冥界の王ハデスに会い

その竪琴を奏でて最愛の妻

エウリュディケーの返還を求めた








彼女はさらに淡々と

まるで他人の事の様に

無感情な声で話し続けた




「この場所は私が好きだった場所

子供の頃はこの石っころが

どれだけ価値があるかも知らず

よく乗っかって遊んでいたわ




あの男は奥さんと別れて

私と一緒になると誓ったの

もう奥さんとは絶対に

会わないと誓ったのよ




だけど私

見てしまったの

あの男が

奥さんと会っているところを」








オルフェウスの哀しい琴の音に

涙を流すハデスの妻ペルセポネに

説得されたハデスは




冥界から抜け出すまで

決して後ろを振り返って

妻の姿を見てはならぬ




その条件を付けて

妻エウリュディケーを

オルフェウスの後ろに従わせて送った








男の表情から笑顔は消え

沈痛な面持ちで彼女に言った




「そうでしたか

昨日の朝にそんなことが」




彼女は視線を遺跡に戻した




「だから私いそいで

列車に乗ってここへ来たの

最後にこの景色を

見ておきたかったから……」
 





 
 
 
 
 
 
 

写真提供:総合素材サイト「ソザイング」様

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2014/01/21 自由詩:短編を様々な作風で Comment(0)

あとがきー!「天使の両翼」


こんばんわ、普段通りボロボロのサヤキです。

今回の作品は、実は以前のブログで書いていたものを

焼きなおしてのせたものです。




非常に思い入れのある作品だったので、焼き直しにも気合が入りました。

もともとこのエピソードは、原稿用紙換算でだいたい1900枚くらいの

長編の中のひとつを抜いたものです。




なので、実は子供が本編ではヒロインだったりします。

ここでご紹介したのは、ヒロインの回想シーンなんですね。

書いてる本人が「なんてひどい話なんだ」と思ったのはナイショです(笑




楽しく書けたので、またやってみたいと思います。

今度は楽しいお話を?

……書けるといいなぁ。





読んでくださった方、もしよろしければ感想などをお聞かせ下さい。

はげみにもなりますし、次回作の参考にもさせて頂きます。

あと、この場をお借りしてブログ仲間も募集中です。




様々なジャンルの方との交流もお願いしたいと考えています。

ぜひぜひ、じゃリンクしてもいいかなって方、お気軽に

書き込みよろしくお願いします。




最後になりましたが、読んでくださってる方々、本当にありがとうございますっ。

ではまたっ。







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2014/01/21 後書き:生まれ出た言葉の為に Comment(2)

「天使の両翼」終詩:天国に降る雪





酷く冷たい夜だった 




施設の薄暗い部屋の中 

泣き疲れて眠っている 

二人の我が子を目の前に 

彼はゆっくりと座った 












君達が双子だったのは 

神の奇跡だよ 




ママが死んで 

そして僕が死んでも 

君達は一人ぼっちじゃない 

そうさ、独りじゃないんだ 




はじめまして 

僕が君達のパパだよ 

やっと逢えたね 












二人の赤子は良く眠っていた 

彼は二人を起こす事のないよう 

静かに 

しかしはっきりと言葉を続ける 












君達二人が双子だったのは 

本当に神の奇跡だ 

妹の方は彼女の死後すぐに 

産まれたって聞かされたよ 




ひょっとしたら彼女の 

生まれ変わりなのかな 

そうじゃないとしても 

君達は本当に凄いな 




家族無しで今からどうやって 

生きていくのか心配したのに 

自分達だけで 

何とかしちゃうんだからね 












ずっと長い間 

優しい眼差しで双子を 

見つめ続けていた彼は 

やがてゆっくりと立ち上がる 












彼女が聞けば親馬鹿だって

笑われるかもしれないけれど

美人になるよ

きっと君達は美人になる




去っていく僕とママを

どうか許して欲しい

そしてお互いの言う事を

良く聞いて支え合って欲しい




僕とママからの

最初で最後のお願いだ

愛して愛されて

どうか幸せになって欲しい












彼は立ち去ろうとしたが

最後に彼はもう一度振り返り

並んで眠る二人の赤子に

微笑みながら語りかけた












よく聞いてくれ

僕はママの所へ行ってくるよ

いつだって僕達は

君達をあの空から見守ってる












ひどく冷たい夜だった

夕方から降り続いた雨は

いつしか雪に変わり

寂れた街を白く包んでゆく




彼は孤児院を出て

彼女が眠る場所へと向かった




辛くも幸せだった

この儚い人生での記憶

その様々な景色が次々と

彼の脳裏に浮かんで消える











天国にも雪が降る




失うのが怖かった 

消えゆくのが怖かった 

これ以上この痛みに 

もう耐えられなかった 




奪われても恨むなと 

失っても嘆くなと 

そして求めれば与えられると 

神は言った 




死を目前にした自分にとって 

その全ての言葉が 

神の戯言だった 




天国にも雪が降る




この命では足らなかった 

生まれて初めて祈った 

神を恨みながら祈った  

この呪われた時の狭間で




愛する妻と

子供の無事が

約束されるというのなら




でも僕が本当に必要で大切なもの

それはこの世界に無かった

この胸の内に在った

あなたがそうであるように




天国にも雪が降る 




頬を叩いていた冷たい風は 

やがて背中を押す勇気に変わる  

たとえ避けられない死が 

この想いと記憶を連れ去ろうとも 




奪われた未来も 

叶うことの無い希望も 

弱さも醜さも愛しさも 

全てを真っ白に染め上げて 




天国にも雪が降る




そして愛することも 

愛されることも 

許されないままに 

虚無へと堕ちていく僕へ 




最後に残された双子、天使の両翼 




せめて君は愛して欲しい 

せめて君は愛されて欲しい 

そしてこの幸せを胸に 

虚無の世界へと旅立とう 




あなたが残してくれた 

唯一最後の希望と奇跡 

天使の両翼は遥か彼方 

力強くはばたいていく 




あなたが見守るあの空の下を 











彼が彼女の眠る場所へ

歩き始めてから

既に数時間が経っていた




息は乱れ

その足はボロ雑巾よりも

惨めに引きずられている




だが彼の瞳だけが

その病んだ身体を突き動かす

強い意志の輝きを見せている












あの頃は本当に幸せだった

僕は君と結婚できて

本当に良かった

今でもそう思ってるよ




そしてきっと僕は

生まれ変わって

再び君に恋をする












雪は音もなく

しんしんと降り続き

彼と墓標の上に

緩やかに積もっていく




彼は墓標にかかった雪を

少し払い落とした

そのすぐ下の土の中に

彼女は眠っている




刻まれた彼女の名が

わずかな光に照らし出されて

彼の目の前に浮かび上がる












だけど君は僕に

一つだけひどい事をした

君は僕にひどい嘘をついたね

確かに言ったはずだろ




僕が死ぬまで

僕が死ぬまでずっと

一緒にいてくれるって












彼は彼女の墓標に

寄り添うように

隣に座った




そんな二人の上に

雪はさらに降り積もっていく




彼は最後にもう一度だけ

彼女が土の中で眠る

その場所の雪を払い落とした

健気に芽吹く雪割草




それが

この生の中で彼が見る

最後の景色だった












悪くない

悪くないね

何だか僕は妙なんだけど

とても幸せなんだ




君に愛されて

二人の双子の子供に逢えて

人生の最後が一番幸福だったと

僕は胸を張ることができる












そして彼は力尽きて

ゆっくりと目を閉じてしまった












でも僕は最後の最後に君に

酷い嘘をつかれてしまったね

確かに僕も君に

嘘をついていたけれど




だからといって

子供にも会わないで

先に行ってしまうなんて

あまりにもひどいな




君の所へ行くよ

文句を言ってやらなくちゃね












酷く冷たい夜だった




雪はやむ気配を見せず

夜を通して降り続き

容赦なく衰弱しきった

彼の体温を奪い続けはしたが




寂れた街と彼と

彼女の眠る場所

そしてその苛烈な運命までも

白く優しく包んでゆく












君に会いに行くよ

そしてもう一度言うんだ

結婚を申し込んだ時の

あの言葉を




あなたに恋してました

あなたは私の全てです

あなたを愛しています




愛しています




あなたのそばにいよう 

あなたのそばで眠ろう 

たとえ神の気紛れが戯れに見せた 

つかの間の夢が終わろうとも 




あなたのそばにいよう 

あなたのそばで眠ろう 

訪れることの無い明日とともに  

霧散し掴めなかった夢とともに 




奪われたものを嘆き悲しむよりも  

残されたものに感謝をしよう 

手の届かぬものを欲し足掻くよりも  

目の前にある愛に誠実でいよう 




本当に必要なものは 

この胸の内に在った 

本当に大切なものは 

この胸の内に在った 




抱き締めれば壊れそうな 

儚く哀しい奇跡さえも 

淡く美しい希望さえも 

全てこの胸の内に携えて 




あなたのそばにいよう 

あなたのそばで眠ろう 




たとえ天と地が秩序を失い  

あなたを照らしていた星々が  

燃え尽きて地に堕ちようとも







あなたを愛しています














 
写真提供:free.stocker 様                   続編「天国に降る雪」

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2014/01/20 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)

「天使の両翼」第十一詩:天使の両翼





あなたのそばにいよう 

あなたのそばで眠ろう 

たとえ神の気紛れが戯れに見せた 

つかの間の夢が終わろうとも 




あなたのそばにいよう 

あなたのそばで眠ろう 

訪れることの無い明日とともに  

霧散し掴めなかった夢とともに 




奪われたものを嘆き悲しむよりも  

残されたものに感謝をしよう 

手の届かぬものを欲し足掻くよりも  

目の前にある愛に誠実でいよう 
 
 
 
 
本当に必要なものは 

この胸の内に在った 

本当に大切なものは 

この胸の内に在った 




抱き締めれば壊れそうな 

儚く哀しい奇跡さえも 

淡く美しい希望さえも 

全てこの胸の内に携えて 




あなたのそばにいよう 

あなたのそばで眠ろう 

たとえ天と地が秩序を失い  

あなたを照らしていた星々が  




燃え尽きて地に堕ちようとも……
 









 
 
 
 
 
彼は声にならない 

叫びとともに目を覚まし 

半身を起こした 




自分は気を失って 

ベッドに寝かされていたと 

そう気付いたのは 

それから数分後の事だった 












そうだよ僕は 

あの手紙に書いたはずだ 

僕は生きて子供に会って 

約束しなければいけないんだ 












彼はゆっくりと 

ベッドから離れた 




隣の部屋には愛する妻

そしてひょっとすると

彼らの子供までが

彼を待っているかもしれない




幸せの予感は

彼にこの上ない喜びを与えてくれた












生きてる

僕は生きているんだ

そうだ僕は子供に

子供に会えるんだ




きっと君は数年後に

あの手紙を読むだろう

パパはうそつきじゃなかったぞ

生きて、生きて君に会える




生きて君に約束するんだ

君に会って直接

ああ、僕は

僕はまだ生きているぞ












彼がおぼつかない足取りで

隣の部屋に行こうと

ドアのノブに手を

かけようとしたその時




ドアは彼が手をかける前に開き

少し驚いて後ろによろめいた

彼の眼前に姿をあらわしたのは

妻の面倒を見てくれていた医者




その医者の深刻な表情で

彼は何かあったのだと

一瞬で理解してしまった




「……残念な事を

申し上げなければなりません」




本当は医者の

その後に続く言葉は

彼にはもはや不要だった




残念な事

その一言が彼に

最悪の結末を予想させ




その疑惑は

医者の沈んだ顔を見て

確信へと変わった




「待って下さい先生

そんな

そんな事僕は信じませんよ




そんな

聞きたくない

いやだ

いやだ僕は聞きたくない」




幸せの絶頂から

奈落の底へと

一気に突き落とされた彼は




湧きあがる感情を

抑える事が出来ず

悲痛な叫びとともに

体中をかきむしった




「お願いだ先生

言わないで

言わないでくれ」




医師も同様に無力感に囚われていた

それでも医師としてどうしても

これだけははっきりと

彼に伝えなければならなかった




「無事に子供が取り出せたのは奇跡です

彼女は子供が産まれる少し前にすでに




息を引き取っておいでだったのですから」




医者の言葉を

耳に入れるのを

拒むかのように

再び彼は叫んだ




「うそだ

こんな

こんな馬鹿な事があるものか

あっていいはずがないんだ




先生

死ぬのは僕だ

僕なんだ

彼女が死んでいいはずがないんだ




先生

お願いだ

うそだと言ってくれ

死ななきゃならないのは僕なんだ」




彼は医者の服をつかんだまま

ゆっくりとその場に崩れ落ちた












こんなひどい運命が

僕を待っていたなんて

子供に

子供に会えなかったのは僕じゃなく




君だったなんて












私とあなたと

私達の子供

一緒に

一緒に暮らせるのね




思い出されるその彼女の言葉が

彼の病んだ胸をさらに深くえぐる




医師は自らの挫けそうな気持ちに

鞭を打った

そして絶望に打ちのめされる彼に

説明を続けた




「一人目の子の時はまだ彼女は

無事だったのですが

二人目の子を産む寸前に

亡くなられてしまいました




彼女の頑張りを

どうかほめてあげてください

産まれた双子は

異常も無く元気なのですから




そうです

彼女が死と引き換えに

無事に産んだのは




双子の女の子です」














 
写真提供:free.stocker 様

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2014/01/20 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)

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ランクサイト トーナメント戦 優勝作品

「3年待ってね」

「天国に降る雪」

「想いは流れる」(短編)

「いつだって僕の」

「サン・ミシェルの少女」

「想いは流れる」(長編)

「粉雪と涙」

「君の歌が聞こえる」

「最後の言葉」

「天使の両翼」

「君の歌が聞こえる」(後書き)

「最後に見た景色」

「想いは流れる」(後書き)


「君の歌が聞こえる」は初めて

ブログ部門でも評価頂きました。
 
 

注目記事全国ランキング上位作品

「君の歌が聞こえる」9970人/1位

「3年待ってね」5478人/1位

「アルテミスの弓」6171人/1位

「サン.ミシェルの少女」5377人/1位

「珍しいペット」5365人/1位

「君の歌が聞こえる」5438人/2位

「夢も見ずに」5407人/2位

「消えていく私」5423人/2位

「戦争と平和と愛について」5356人/4位

「冥府に住む聖者」5362人/5位

「天国に降る雪」5351人/5位

「悠久の中の一瞬」5339人/5位

「欠片の記憶」5422人/9位

「消えていく世界の片隅で」6203人/9位

 
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「冥府に住む聖者」公開5日目

「天使の両翼」公開7日目

「天国に降る雪」公開8日目

「想いは流れる」公開6日目


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「想いは流れる」公開11日目

「天使の両翼」公開34日目

「天国に降る雪」公開29日目

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「天使の両翼」

「天国に降る雪」


電子書籍出版C'lamP 様
にて五作品紹介

「オルフェウスの竪琴」

「その向こうに見たもの」

「無理に笑う人」

「夢も見ずに」

「四月になれば」



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