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Destination Station of a Dream
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「オルフェウスの竪琴」
このお話を初めて読んだとき、サヤキはまだ小学生でした。
その時に読んだ内容では、最後、妻を失った主人公は絶望で川に
身を投げたか、落ちた、だったと記憶しています。
きっと、子供が読む用に書かれた内容だったのでしょうね。
オルフェウスが宗教をしていたとか、実は殺されたとかいうのは
大人になってから知りました。少しがっかりしたのを覚えています。
それでも、琴座の美しい思い出は今も色褪せていません。
「悠久の中の一瞬」
この遺跡は、愛媛県に実在します。司書で教員免許を持つ友人と
実際に訪ねてみました。
こじんまりとした展示館と雄大な景色が印象的でした。ちなみに
詩に付けている写真は、近隣をサヤキが撮影したものです。
初期の頃の土器は、現在で言う「野焼き」というもので、窯で焼く
わけではなかったので温度が低く、焼き固まらずモロいものでした。
新しい土器より縄文土器のほうが分厚いのはその為です。
同時期の世界文明となると、巨石文明となりますが、おそらく加工
しにくい石より、加工の容易な木の文明がその前にあった事が予想
出来るでしょう。ただし……
残念な事に、モロい焼物と木の創造物は後世に残りにくいのです。
だからこそ、この遺跡には価値があるのですね。
「20ドルの微笑み」
歴史を語るのに、実は経済の変遷……つまりお金の流れですね。
それを追うと戦争の歴史が見えてくる、という外国の歴史学教授の
本を読んだことがあります。
思想やイデオロギー、宗教、理想等で戦争が起こるという夢物語を
完全に壊してくれた本でした。
もちろん、独立や付随する支配欲、政治的野心など例外はあります。
経済の変遷で戦争の歴史を紐解くことが出来るとすると、避けて
通れないのは、まっとうな商売、そして兵器産業と麻薬など。
残念な事に、この2つが国を支える歴史的事例は少なくありません。
この詩では、麻薬というあまり取り上げられないものにスポットを
当ててみました。
戦争と平和というのは大変難しい問題です。
なぜなら置かれた立場によって、同じ側の人間でも思惑が違うことが
ほとんどだからです。ましてや戦う相手の思惑となると……
理想だけで戦争は語れないのが、複雑で冷たい現実です。
ですが、理想が無いと戦争に行くこともできませんし、平和を祈る事
もできません。それがいっそうこの問題をややこしくしています。
ジョン・レノンは「国境の無い世界を想像してごらん」と歌いました。
あくまでサヤキの考え方なのですが、国境は必要だと思います。
そして、国境の向こうに違う価値観を持つ人がいる事を認めない限り
憎しみは無くならないと思います。
たとえば、日本では悪い事をすれば正直に話すのが美徳でしょう。
しかし、儒教の国では「身内を守る為に悪い事をする」のが美徳です。
孔子の教えですね。
どちらが正しいか、それはここでは問題としません。
ですがこうなると、お互いの価値観は永久に平行線です。国境の向こう
に違う価値観の人がいる、と認めるしか解決の方法はありません。
決して自分と同じ考えにはならないと認めるしか。
そして現代では、その思想のズレに「利得」が付随します。
国境の無い悲劇、の例として「東トルキスタン」を興味のある方は
検索してみて下さい。彼らは戦い抗うしかありませんでした。
無責任に「反戦平和」を語れなくなる真実がそこにはあります。
もちろん、反対意見もあるでしょうし、それも正解だと思います。
考古学・歴史を学んで、正解は一つでない事を知っています。
正解はたくさんあるのです。
そして私は、決して私と同じ考えにならない人がいるのを知っています。
ただ、この詩に書いたように事実は冷たいかもしれません……
お・ま・け
ここで以前公開した「天使の両翼」には本編があります。
……と言ったら、ある方から「双子の続きが読みたい」と言われて
しまいました。
もちろん、原稿用紙換算1900枚なので、ここで出すと大変な事に
なってしまいます。
なので、どういう内容の話かわかる程度に、本編から二箇所抜粋して
ここに載せてみますね。
短いですが、興味のある方はどうぞー。
ちなみに、「ナシュア」という女性が双子の妹です。
興味の無い方はどうかスルーお願いします(笑
(1箇所目)
「あら、お嬢さん。あなた知らないの? 彼の兄の事」
「メイ!」
ティルフィングは叫んだがメイは彼に応じる事無く、かまわずナシュアへ向かってまるで世間話のような気軽さで言葉を続けた。
「いい? お嬢さん、よく聞くのよ……彼のお兄さんは、あの統治システムコンピューターブレイン“ラグ”なのよ」
「え……えっ!?」
「彼と彼のお兄さんは、元々同じ一個の細胞から造り出された“人造の人間”だったの」
ナシュアは驚愕のあまり身動きもせず立ちすくんでいた。自失呆然の彼女にメイはさらに言葉を続ける。
「……三九九二年に統治コンピュータ“ラグ”のシステムにバージョンアップが施されたわよね。この時、メインの部分にも手が加えられたのだけれど、超伝導以外の部品の伝送処理速度を早める為に、当時の科学者は“生体部品”の流用を決定したわ。そして“バイオチップ”の採用も、ね。DNAをメモリーに利用すると、細胞一個のピコグラムのDNAには三〇億塩基対の記憶容量があるわ。どんな電子デバイスもこれにはかなわない。この“ラグ”のシステム=バージョンアップに、彼のお兄さんは生体材料として使われたのよ」
「そ、そんな……」
もはやナシュアには言葉もなかった。メイはティルフィングの方に少し視線を投げかけると、さらに言葉を続ける。
「……彼はその“ラグ”に生体材料として使われた兄の、いわばサンプルとも言える特別な存在の実験体だったの。メイン部分のバイオデバイス、そしてバイオチップ……ティルフィングのDNAには“ラグ”の生体材料として必要な物は全て人為的に詰め込まれている。そう、彼は“ラグ”と同等の能力を持っていると言って差し支えないわ。しかし……ティルフィングは開発機関の組織を抜け、地球へと逃亡したのよ」
(2箇所目)
「その通りね、少佐。彼がいればレジスタンスは勝てるわ、必ず、ね」
「な、ならば……」
メイは再び凄絶な微笑を彼に見せた。そして、その侮蔑によって飾られた威圧的な表情には少佐の反論を封じ込める力があった。
「少佐。あなた、彼がなぜ“ティルフィング”って呼ばれているか、知っていて?」
「い、いえ……」
メイは鼻で笑った。
「ふふっ。彼の呼称、“ティルフィング”っていうのは、太古の旧世界に伝えられていた北欧神話で、最高神オーデインの末裔が作らせた伝説の魔剣の名よ」
「ま、魔剣?」
「そうよ……当時の伝承によると、その剣を作らせたスアフォルラミという国王は必勝の剣を要求したわ。しかし、それに応じて作られたのは、破滅を呼ぶ呪われた魔剣だった。その剣は絶対の勝利を使用者に与えてくれる……しかし、所有者の望みをかなえた後、やがてその者を破滅へと導いていくのよ。勝利と繁栄の代償として、ね」
「…………」
「彼に関わった者は……死ぬわ」
メイの瞳が鋭く細められた。少佐は驚愕に身を凍りつかせ、何も言葉にする事ができなかった。それを見た彼女は、今度は艶やかに微笑みながら懐から煙草を取り出し、それに火を付けながら言葉を続けた。
「ちなみに少佐、統治コンピュータシステムの名称“ラグ”とは、ケルトの太陽神の事を意味しているのをご存知だった? ……神の血が作らせた魔剣は、神を殺す事ができるか……」
メイは視線を窓の外に流れる景色へと遊ばせた。
「ふふっ……面白いわね。よくぞこの時代に産まれて来たものだわ……」
いろいろな所に理論破綻があるかもしれませんが、若さゆえの戯言だと許してやって下さい(笑
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2014/01/24 後書き:生まれ出た言葉の為に Comment(0)
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