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Destination Station of a Dream
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世界にまだ錬金術と精霊
魔法があると信じられていた最後の時代
ルルドを旅する一人の女性の姿があった
彼女は魔法が使えるわけではなく
錬金術に長けているわけでもなく
精霊達の声を聞けたわけでもない
どこにでもいる普通の女性だった
教会から教会へ
彼女は巡礼の旅を続けた
人々が集まり祈りを捧げる様子を
いつも静かに微笑みながら眺めていた
戦争の機運が高まっていた
深刻な疫病と飢餓が各地を襲った
人々は残り少ない食料と財産を
心無い剣と力で奪い合った
教会から教会へ
彼女は巡礼の旅を続けた
告白し懺悔し苦しむ多くの人々に
彼女は様々な事を静かに語っていた
分け合う事の尊さ
普段の生活の知恵
赦し合う事の尊さ
病気に有効な薬草
いつからか彼女の周りには
多くの人が集まるようになった
人々が談笑する様子を彼女は
いつも静かに微笑みながら眺めていた
彼女は特別に美しいわけではなく
神秘的な魅力があるわけでもない
思慮深く儚げな黒い瞳が印象的な
どこにでもいる普通の女性だった
彼女を快く思わぬ者もいた
疑いの眼差しで扇動者の烙印を押し
彼女に対して信用の見返りに
魔術による奇跡を見せろと迫った
彼女は驚きもせず真摯に応じた
私にその様な大それた事はできません
でも私が大地を裂き雷を落とすよりも
あなたが手にしているその野いちご
家族がそれを見て喜ぶ姿のほうが
ずっと素敵な魔法だとは思いませんか
戦争の機運が高まっていた
深刻な疫病と飢餓が各地を襲った
教会から教会へ
彼女は巡礼の旅を続けた
世界にまだ錬金術と精霊
魔法があると信じられていた最後の時代
ルルドを旅する一人の女性の姿があった
撮影者:サヤキ
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2014/01/12 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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