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Destination Station of a Dream
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2月23日、くもりのち雨
今日も彼は来てくれた
この時間はいつしか
私にとってこの人生で
最高に幸せで
最高に残酷な
時間となった
彼に内緒に
している事が
ひとつだけある
もう私はいつ死んでも
おかしくない体だって事
言わなければ
ならなかった
このままでいい
はずがなかった
でも言えなかった
彼が笑う
ちょっとだけ
拗ねて怒って
また笑う
彼の前でこれ以上
泣かないようにする
自信がもう無かった
言えるはずがないよ……
2月27日、くもり
私は今日死んでいたはずだった
以前お医者さんの
話を偶然聞いた時
私の命は長くても
今日までだろうと
そう言われていた
私はまだ生きていた
ここから先はきっと
神様がくれた時間だ
私はこの時間を
大切な人の為に
使おうと決めた
私はお父さんに
3月から病院に
入院したいと
お願いをした
そして彼に二度と
会わない決心をした
私が苦しいのはいい
もうすぐ死がこの
苦しみから解放して
くれるだろうから
だけど彼を絶対に
巻き込んではいけない
私が入院して
会わなくなって
彼が自然と私を
忘れてくれれば
それが一番いいと思う
単なる同情で私の話を
聞いていた最初の彼と
私の話に泣いてくれた
今の彼を思い出したら
自惚れでも何でもなく
彼の気持ちが私の方へ
徐々に近付いていると
いくら鈍感で世間知らずの
私にだって痛いほどわかる
だから私はこの
残された時間で
せめて彼の幸せを祈りたい
2月28日、晴れ
たくさんたくさん
彼が去って泣いた
今も泣きながら
日記を書いている
ついに彼に
もう来ないで、と言った
できるだけ冷たく言った
もう二度と来ないように
泣いてしまいそうだった
でも良く頑張れたと思う
彼は少し困った様な
表情で私を見ていた
きっと明日も来るだろう
でももう私は家にいない
明日から私は入院だから
裏切りだと
思われても
かまわない
そのあなたの眩しい
笑顔が涙に曇らない
幸せな夢を見ながら
私は眠りたい
神様どうかお願いです
彼がもう大丈夫だって
私が確認できるまでは
もう少しだけ命を下さい
写真提供:GATAG PublicDomainPictures(著作権放棄)
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2014/03/05 詩 劇:広義の詩的形式の劇 Comment(0)
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