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Destination Station of a Dream
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2月9日、雨
昨日の夜から何回か
軽い発作が続いた
ついに私は最後の発作で
病院に運ばれてしまった
両親がそのまま入院の
手続きをしようとした
私は泣いてそれだけは嫌だと言った
お父さんは納得せず
私の主治医の先生に
相談をすると言った
主治医の先生は両親に
彼女の望むようにして
あげて下さいと言った
もう病院で出来る事は
何も無いのだと悟った
2月11日、くもり時々晴れ
彼は毎日来てくれる
物好きねって言ったら
どうもそうみたいだ
と言って笑っていた
かわいくない私
恥ずかしくて自分の
気持ちを知られたく
ないという本音も
正直あったのだけど
これ以上彼に対して好意を
持ってしまうのが怖かった
もちろん私には
友達がいなかった
彼が唯一の友達だ
だから私はついつい
明日は何時に来るのとか
当番なんかさぼって早く
来いなんて言ってしまう
約束がないと私は
不安で仕方が無かった
そんな私にいつだって
彼は微笑んで頷いてた
底抜けにお人好しで
驚くほど優しい彼
だからこそ私は
この膨らむ気持ちを
認めるわけにはいかない
生きたいと望んでしまうから
2月15日、晴れ
今私は凄く後悔している
本当につまらない事を
彼に言ってしまった
実は私は知っている
彼に友人はたくさん
いるということを
毎日この窓から
友人達に囲まれて
通学しているところを
私は見ていたのだから
なのに彼は毎日
友人達より私を
優先してここに
来てくれるのだ
嬉しくてあの時の私は
どうかしていたんだ
そうとしか思えない
私がずっと昔親に
わがままを言って
海に連れて行って
もらおうとしたら
車の中で発作を起こして
命を落としそうになった
その話を彼に
してしまったのだ
しなければ良かったのに
彼は泣いていた
私の話を聞いた直後
彼は泣いていたのだ
私はそれを見てもう
全部認めてしまった
彼を失いたくないこの気持ちを
そしてもうひとつ
気付いてしまった
きっと私が死んだら彼に
取り返しのつかない程の
大きな心の傷を残してしまうと
神様は優しくて残酷だ
人生の最後で私に幸せと
苦痛を与えてくれたのだ
彼の泣いてる姿なんて
もう二度と見たくなかった
でもいったいどうすればいいのか
私にはわからなかった
2月18日、晴れ
また発作が私を襲った
苦しい間ずっと
彼のことを思っていた
また会いたいと願った
それだけが全てだった
今はもう平気
また明日私は
彼に会えるんだ
だけど発作がおさまって
冷静になって考えた
彼の泣いてる姿なんて
もう二度と見たくなかった
この気持ちが今より
もっと強くなれば
彼も私もさらにこの先
つらくなるに違いない
本当は私は
もう彼には
会わない方がいいかもしれない
写真提供:GATAG 著作者:Bergadder(著作権放棄)
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2014/03/05 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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