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Destination Station of a Dream
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僕は彼女の気持ちを
知るのが怖かった
答えは目の前にあった
だがそれを見るのに
少なくない勇気が
必要だったのだ
恨んでいただろうか
不自由の無い体の僕を
妬んでいただろうか
結果として僕は
彼女に何もして
あげられなかった
苦しかったはずだ
悲しかったはずだ
その先に希望など
無いと知っていた
それでも僕はあの笑顔を
嘘だと思いたくなかった
どうしても信じたかった
答えは目の前にあった
でも僕は彼女の気持ちを
知るのが怖かった
4日目の夕方
ついに彼女は
折れてくれた
今まで決して
開かなかった
個室のドアが
ゆっくりと開いた
「あなたって馬鹿なのか
よっぽど暇なのね」
久しぶりに顔を
見たというのに
彼女の言葉には
容赦の欠片も無い
僕は笑って答えた
どうもそうみたいだ、と
彼女の目は
赤くなっていた
それを見て僕は
少し心が痛んだ
二人で、談話室のように
訪れる人が自由に使える
広めのフロアへと移動した
彼女はどうやら
観念したらしく
おとなしく僕の
後ろについてきた
でもそれからの彼女は
昨日までの彼女とは
まるで別人だった
たくさん笑って
怒って拗ねて
そしてまた笑う
無くしていた時間を
僕たちは取り戻した
そんな彼女は
自分が今着ている
病院服がご不満らしい
「どうせ明日も来るんでしょ
なら私の家に寄って私服を
持ってきて欲しいんだけど
家にはちゃんと
連絡しておくから
お使いよろしくね」
などと言う
女の子って
そういうものなのか
どうせ彼女の家は
この病院に来る途中だ
断る理由も無いので
軽い気持ちでいいよと
言ったのに睨まれてる
なぜそんな凄い形相に
なってるのかわからず
困ってる僕に彼女は
こんな失礼な事を言う
「途中で中見ちゃ駄目よ絶対に」
写真撮影者:サヤキ
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2014/03/02 散文詩:連作で小説に近い詩 Comment(0)
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